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『スクラム実践入門』をいただきました

著者の貝瀬さんとはよく一緒に仕事しています。その関係で発売前の本をいただくことが出来ました。
ありがとうございます。

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

発売は3月18日です。

目次としては下記のようになっています。

第1章 ソフトウェア開発の困難にスクラムで立ち向かう
第2章 スクラムチーム
第3章 スクラムイベント
第4章 スクラムの作成物
第5章 スクラムを支えるプラクティス
第6章 GMOペパボの事例 ── どのように導入したか
第7章 mixiの事例 ── 導入失敗からの立てなおし
第8章 DeNAの事例 ── 大規模開発、業務委託への適用
第9章 スクラム導入時によくある問題と解決策
第10章 スクラムチームでよくある問題と解決策
第11章 スクラムイベントでよくある問題と解決策
第12章 スクラムの作成物によくある問題と解決策


第1章から第5章まではスクラムとはどういうものなのかについて、トップダウンアプローチで説明しています。
スクラムについてほとんど知識がない人は、第2章から第5章を読むと具体的な用語や回し方がわかるようになっています。
第1章はかなり抽象的なアプローチからスクラムについて語っている章で、完全な初心者は面食らう可能性があるので、先に2章以降を読んだほうがいいかもしれません。

ある程度スクラムを行った経験があってから第1章を読むと、色々得られることがあるかもしれません。


スクラムの経験がある人にとって気になるのは第6章以降で、具体的な事例や、具体的な問題と解決策が述べられていて、とても参考になります。

スクラムオブスクラム複数スクラムを回す大規模なスクラム)について言及があるのも書籍では珍しいと思います。プロジェクトによっては、解くべき問題がどうしても大きいために、やむをえず大規模なチームを組まざるを得ないことが往々にしてあります。そういうプロジェクトにとって示唆に富む内容を含んでいるのもポイントが高いです。

「はじめに」にもありますが、スクラムは「軽量で理解が容易だが習得は困難」なフレームワークです。Webに書いてある情報や、人から聴いた内容をそのままプロジェクトに当てはめると、上手く行かないことが多いです。

それはなぜかというと、「はじめに」の貝瀬さんの言葉を借りるとスクラムは「問題をあぶり出すフレームワークではあるが、発見した問題に対して具体的な解決策を提示していないため」だと思います。これは至言です。

具体的な解決策はスクラムを実施している当事者その人が都度自分で考えてひねり出すしかないのです。

本書は、そんなふうにしてひねり出した事例の数々を読むことができる一冊となっています。ぜひご一読を。

著者のみなさん、出版おめでとうございます!

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)



スクラム実践入門に関連して一緒に読むといい本を列挙しておきますね。
僕の本があるような気がするのは気のせいです!

チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)

チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)

GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)

GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)

JUnit実践入門 ~体系的に学ぶユニットテストの技法 (WEB+DB PRESS plus)

JUnit実践入門 ~体系的に学ぶユニットテストの技法 (WEB+DB PRESS plus)

Jenkins実践入門 ?ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術 (WEB+DB PRESS plus)

Jenkins実践入門 ?ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術 (WEB+DB PRESS plus)