『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢』を読んだ
ベイエリアで10年、シアトルで5年働いたという著者による本。ハウツー本というよりも、米国企業で働く際の心構えとか、実際にありえるメリット・デメリットの説明と言った感じ。
書きっぷりがかなりバランス感覚に優れていて、どっちがいい悪いという言い方にはなっていないのが好印象。
エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢 ~渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド
- 作者: 竜盛博
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/10/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢 ?渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド
- 作者: 竜盛博
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2015/10/08
- メディア: Kindle版
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レイオフの話も体験談含めて書かれていて参考になった。子供の教育の話なんかはリアルに問題になるなーと思いながら読んだ。
もうすでにソフトウェアエンジニアとして働く上で、たとえ日本で働いていたとしても英語の読み書きは必須レベルになってると言っていいと思うし、どうせ日常的に英語の読み書きをしているならそのままアメリカなり海外の企業で働いてもいいんじゃないかと思うのも自然なのかもと思った。
ほとんどの人にとって、問題になるのは英会話の能力だと思うけど、これは英会話を日常的に使用する環境に身を置かないと解決しないので、悩むより先に海外の企業を受けてみたほうがいいんじゃないかなあとは思った。
著者の方も書いているけど、日本で高等教育を受けそれなりの大学を出ているような人であれば、英語の読み書きの能力は一定以上のレベルをすでに超えている人がほとんどな気はする。結構難しい英語の論文を読みこなす力のある人はいるよね。問題は発音と聞き取り能力、それと日常的な会話の語彙なんだけど、それは使い始めればなんとかなるんじゃなかろうかと思う。
海外の企業を受けようという人でコーディング面接が気になる人は下記の本が参考になるかも。ただ日本語じゃなくて英語で読んだほうがいい気はするけど(英語で面接しないといけないので)。
世界で闘うプログラミング力を鍛える150問 ~トップIT企業のプログラマになるための本~
- 作者: Gayle Laakmann McDowell,秋葉拓哉,岩田陽一,北川宜稔,Ozy
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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世界で闘うプログラミング力を鍛える150問 トップIT企業のプログラマになるための本
- 作者: Gayle Laakmann McDowell
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
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ちなみに、読んでて思ったんだけど、最近の日本のWeb系企業は、ワークスタイルとかエンジニアの処遇とか、だいぶアメリカナイズされてきたなーという印象も同時に持った。書かれてる内容にそんなに驚きや違和感がなかったので。(あーこれ日本のXXって企業でも似た感じだなーみたいな)
あと、弊社も募集してます。
しばしば「GitHubって日本でエンジニア職を募集してないんですか?」って聞かれるんだけど、募集してますよ。弊社は明示的にLocationを書いてないかぎりは基本的に住んでる場所がどこだろうが気にしてません。なのでいつでもどうぞ! https://t.co/qwl3ax5b9R
— Takafumi Ikeda (@ikeike443) 2015, 10月 4
Tech Planet 2015 で講演してきました
10月7日にSK Planet主催で韓国にて行われた Tech Planet 2015 にて招待されて講演してきました。
講演の様子は録画されてたのでそのうち公開されると思います。この辺で -> README | SK플래닛 기술 블로그
ちなみにスライドは英語で作りましたが、講演は日本語で行いました。英語よりも日本語のほうが韓国語に翻訳しやすいかなーという考えからです。 なので講演の様子は動画で後日みてもらうとして、写真を少し紹介。一番最後にスライドも公開してあります。
会場はロッテワールドホテルでした。でかかった。ちなみにこれは隣りにあるモール。これも異常にでかい。
受付の様子。
プログラム。
会場は1000人以上入る大ホール。実際1000人ほど来場してたみたい。基調講演をここで行ったあと、このホールを3分割してブレイクアウトセッションを行う感じ。
僕の講演に来てくれた方。300人位いたっぽい。立ち見もいてありがたい限りです。
講演の様子。謎のアニメGifでどうぞ。メディアの人が写真をとってくれました。
講演のスライドです。同僚のOSCONでのこの講演と、自分のCEDECの時の講演を組み合わせたイメージのものです。
あと当日この動画も流しました。最初ネットワークトラブルでうまく行かず、講演終了後に流す形になっちゃいましたが。GitHubが目指している世界がよく表現されてます。
GitHub Universe
Hubberとしておもにイベントのお手伝いの目的で参加してきました。
開催前日の会場の様子。
会場の外観。Pier70ってとこなんだけど、倉庫ですな。
defunkt登場。キーノートです。
懐かしのロゴ。
NASA。月の話が面白かった。
Etsy。開発に関するエモい話。面白かった。
スポンサーさんによるベンチ。
カップアート。
Pixarによる1日目のクロージングキーノート。かなり楽しい話だった。
GEによる2日目のクロージングキーノート。
2日目、OpenDataの取り組みのセッションがあり、日本から国土地理院の藤村さんが登壇されました。東日本大震災や御嶽山噴火の際の取り組みなど発表されました。 国土地理院は早くからGitHubリポジトリを持っており、Open Dataに深くコミットされています。 実は日本の政府関係者が海外の技術カンファレンスに登壇するのは歴史上初めての事のような気がします。この辺は後日詳しく記事になるんじゃないかなーと思います。
会場の様子。
Octoshop。僕はここでショップスタッフみたいなボランティアをしてました。
参加者のノベルティです。OctocatのミニフィギュアとYubico提供のYubiKey、ノート、特大ステッカー。
最後に記念写真。
セッションの様子はすべて録画されており、ここから視聴できますよ!
韓国で講演することになりました
GitHubberとしてはじめてのカンファレンス登壇です。(CEDECは一個人としてだったので) http://techplanet.skplanet.com/speaker_track3.html
http://techplanet.skplanet.com/eng/speaker_track3.html
SKが主催しているみたいだけど、GoogleさんやLINEさん、Flickr(=Yahoo)さんからの登壇者もいますね。よくみるとGoogle JapanのIanさんがいる。話したことないんだけど、向こうでお話できるかもしれないね。
韓国でも僕の本は一応売ってるはずなのですが、どれくらい売れてるのか確かめに行ってみますw(多分売れてないと思う)
なにげに初韓国です。ロッテホテルに泊まれるらしいので、割と楽しみです。
10月7日に講演しまーす。
それと、10月1日、2日にあるGitHub UniverseにもHubberとして参加しますので、参加予定の方、ぜひあちらでお会いしましょう! githubuniverse.com
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んだ
- 作者: 高野秀行,清水克行
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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長らく内戦状態だったソマリアと室町時代末期の応仁の乱から戦国時代にかけての日本が色々な面で酷似している話をきっかけに様々なことを学者と冒険家が語り合う談話集。
軽く読めて面白いです。
『チーム開発実践入門』増刷・中国語版発売・中国語版序文
増刷しました
2014年4月の発売以来、おかげさまでご好評をいただき、この度増刷し、第4刷になりました! ありがとうございます!
チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 池田尚史,藤倉和明,井上史彰
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/04/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中国語版が出ました
この度ついに中国語版が出ました! これで日本語版、韓国語版、中国語版と、東北アジアを制覇しました!!!
中国語版序文を公開します
中国語版にむけて序文を頼まれて書きました。せっかくなので記録の意味でここに公開しておきます。
中国語版の読者のみなさまへ
『チーム開発実践入門』を手にとっていただき、ありがとうございます。既に購入を決めてくれた方、ありがとうございます! 購入を迷っている方、この序文を読んで購入を決めてくれたらこんなに嬉しいことはありません。
この本は私と、シャノン時代の同僚である藤倉和明氏、同じく井上史彰氏の3人の共著です。今回はシャノン上海支社の社長でもある井上氏から依頼を受けてこの序文を書いています。
私は実は中国大陸に渡ったことはありません。ですので中国のソフトウェア業界の実情を本当の意味ではよく知りません。もちろんAlibabaやTencentのようなグローバルな企業のことは知っていますが、中国で働いたことはないのですから。
ですが、中国出身のソフトウェアエンジニアが極めて優秀なのはよく知っています。私が務めている会社にも多くのとても優秀な中国人エンジニアが在籍していますし、OSSの世界でも中国出身と思われるエンジニアをよく目にします。彼らもとても優秀です。
エンジニア個人個人を見ると優秀なのは間違いないのですが、中国の開発現場における体制はどうでしょうか。チケット管理や分散バージョン管理の利用、テストコードの充実とCIの整備、デプロイの自動化などの取り組みについてはまだまだこれからだと聞いています。
あなたの現場ではいかがでしょうか? 上記したことがあなたの現場にとって事実でなかったらごめんなさい。あなたにはこの本は必要ありません。この本を棚に戻して仕事に戻ってください。 事実であったなら、この本はあなたの助けとなります。
日本では、この本に書かれているような効率的な開発環境を構築することができている企業とそうでない企業とで、大きな差が開いてきています。環境が整っていれば開発効率が上がり、いい製品やサービスを素早くリリースすることができるのが理由の一つ目です。二つ目は、チーム開発の環境が整っているかどうかをエンジニアは気にし、整っている企業に優秀なエンジニアが集まるからです。そしてもちろん、優秀なエンジニアがたくさん集まれば集まるほど開発生産性は上がっていきます。かくしてどんどんと差が開いていっているのが日本の実情なのです。 あなたの国でも同じことが起きるでしょう。あるいはもうとっくに起きているのかもしれません。 チーム開発環境の整備というものは「ダイエット」のようなものです。やれば効果があること、いいことであることがわかっていても、なかなか実践できません。その都度、忙しいだの他に優先度の高いことがあるだのということを理由におざなりにされがちです。
この「ダイエット」を怠るとどうなってしまうかはこの本の第2章に書き記しました。これは私のかつての実体験でもあります。二度とこのような経験をしないようにするために、私はチーム開発を効率化できることであれば何でも試し、実践してきたのです。その結晶がこの本です。
皆さんもぜひ、この本を読んで学んでください。そして第2章にあるような悲惨な状態に陥らないようにしてください。既に陥ってしまっている会社にいる方は、なおのことこの本を読み込み、その状態から脱することができるようにしてください!
日本では既にこれが実践できているかどうかで大きな差が開いていることは述べました。皆さんの会社が、あなたの国で競争相手に差をつけるためにもぜひこの本に書いてあることを身につけ、実践してください。
そして上手く行ったら教えてください。一緒にお酒を酌み交わしましょう。あなたの国に呼んでくれれば、いつでも行きますよ! 私は紹興酒が大好きですし、白酒も試してみたいと思っていますしね。 :-)
千葉の自宅から著者を代表して 2014年11月15日 池田尚史
チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 池田尚史,藤倉和明,井上史彰
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