ikeike443のブログ

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Kongにジョインしました

ジョインしました、というのはかなり正確な表現です。Kongはまだ日本法人がないため、契約上は業務委託となっているので、入社というのはちょっと違うからです。

法人もなければまだオフィスもないので、今のところ私の自宅がKong Japanです。 f:id:ikeike443:20200103172748p:plain

Kongはサンフランシスコに拠点を置く会社で、APIゲートウェイKubernetesIngress controllerおよびService meshの領域で複数のOSSとそのエンタープライズ・ソリューションを提供している会社です。競合はApigeeやMulesoftと言われることもありますが、むしろLinkerdや最近Service meshみが著しいConsulあたりになっていくかもしれない雰囲気を出し始めていて、なかなか面白いことになりそうだと感じています。(Istioも競合になり得るかもしれないけど、今はむしろ協調して使ってもらうイメージを考えてるっぽい)

github.com

github.com

kuma.io

まだ自分もジョインしたばかりで勉強中なのでアレですが、マイクロサービスを推進していく際に最初に導入すべきものとして認知されていってきてるのが強みかなと思います。様々ソリューションを出していて、それをエンタープライズ・ソリューションを使って統合すると、アプリ種別でいうと伝統的なモノリスアプリから、k8s、各種サーバレスアプリ、プロトコルでいうとREST, GraphQL, gRPC, etc... をもろもろ合わせて透過的に扱えるようになるはずです。

特に個人的には最近出したKumaに注目しています。CTOの下記メッセージがとても刺さったのがジョインのきっかけでもあります。

Before Kuma, service mesh was considered to be the last step of architecture modernization after transitioning to containers and perhaps to Kubernetes. We believe this philosophy is backwards. Service mesh should be available before implementing other massive transformations so that developers can keep the network both secure and observable in the process.

訳: Kuma以前だと、サービスメッシュというのはアーキテクチャのモダン化プロセスの中でのコンテナ化とかKubernetesへの移行を終えた後の最後のステップと捉えられがちでした。我々はこの考え方はまるっきり逆だと考えています。サービスメッシュは大きなアーキテクチャの移行を実施し始める前に導入すべきです。それによってネットワークをセキュアでモニタリング可能な状態に保ちながら、アーキテクチャの移行プロセスを進めることができるからです。

jaxenter.com

当分は自宅とサンフランシスコで研修を受けたあと、既存のパートナー様やお客様先などを訪問する予定です。(日本にはすでに複数お客様がいらっしゃいます)

さて、とりあえずしばらく日本でたった一人なので、よかったらランチとか、Co-workとか、誘ってくださいまし。

出張時に役立つTips

ソリューションズエンジニアとして働くようになって、ここ数年は仕事で出張することが非常に多くなりました。国内出張は月に2,3回、海外出張は4半期に1,2回の頻度ですから、荷物をいかに素早く用意できるかが結構重要です。この頻度ですと、毎回出張の都度何が必要か考えて用意しているとしんどいので、予めいろいろなものを用意しておくようになります。

今回は僕がこの4年でやるようになったTips的なことを共有します。参考になれば幸いですし、もしもっといい方法を知ってる人がいれば、教えてほしいです。情報交換していきましょう。主に海外出張時のTipsが主ですが、そのまま国内出張にも使っています。

バックパック

仕事で2泊やせいぜい3泊程度の海外出張を上記したような頻度ですることが多いのですが、この頻度だと飛行機に乗り込む都度いちいち荷物として預けて到着時に毎回Luggage claimで待たされるのが面倒になります。飛行機はLuggage lostも割とありますし、できれば荷物をそのまま機内に持ち込みたいですが、機内持ち込み可のサイズだとそこまで荷物が入らなかったりします。

そこで僕が使ってるのがオスプレイのこのバックパックです。

40リットルの容量が入って、国内線、国際線、両方とも機内持ち込み可能です。詰め込むともう少し入ります。 スーツケースのように180度フラットに全開する構造になっていて、荷物の積み込みが非常にしやすいです。冬であれば2泊から頑張って3泊分の着替えや日用品が入ります。夏であれば詰め込めば4泊も不可能ではないです。

マックブックやiPadなんかも安全にしまえるように専門のポケットがありますし、何かと便利です。

洗面用品

歯ブラシやひげ剃り、クリームやその手のものってなんていうんですかね。洗面用品であってます? グルーミング用品かな? 化粧品というと少し違和感がある。

ともあれ、この手のものは日常でも使っているものをそのまま出張にも持っていくという人が普通だと思います。そうすると問題になるのが、この手の品物って、当日の朝まで使っていることが多いのでそのまま当日積み込み忘れたりとか、逆に前日に積み込んでしまって朝慌てて出し直すとか(そしてそのまま忘れる)、だと思います。

僕は同じくオスプレイのこれを使っています。

これは洗面用品を入れて丸めて収納するバッグです。広げるとフックが付いていて、ホテルや家の壁に引っ掛けてそのまま使えます。

この写真みたいな感じですね。これは非常に便利です。僕は写真のように、日常的に使っているデオドラントやひげ剃り、また旅行用の歯ブラシや歯磨き粉などを常にこのバッグに入れた状態にして家の洗面所の壁にぶら下げています。

出張の日の朝までこの状態で使って、使い終わったらこのまま壁から外して丸めてかばんに突っ込みます。必要なものがすべてここに入っているので絶対に忘れないという寸法です。

なお、こんなふうに簡易的な鏡もついているので、安めのホテルで鏡がないというときにも便利です。

SIM

海外出張するとインタネット接続をどうしようかという悩みが出てくるかと思います。短期の出張であれば、キャリアが提供しているローミングでもいいと思いますが、結構高いですよね。それなりの頻度で海外出張している人なら、もっと安い手段を選んだほうがいいと思います。

最近だとGoogle FIがいいのかもしれませんが、たしかまだ日本からは使えないので試してません。使ってる人は使い心地を教えて下さい。

僕が使っているのはこのKeepgoというグローバルデータSIMサービスです。 www.keepgo.com

年間1GBで$49です。1GBという容量はたしかに少ないですが、年間契約というところがポイントです。ほとんどのデータSIMサービスが月間契約で月$20~30取るところを、年間で$49ですむというのがお得だと思います。僕のように「年間に4,5回出張するが1回の出張あたり滞在は数日で大抵の場合Wifiに接続しているので衛星回線につなぐ頻度はそこまで高くない、でも例えばカンファレンス終了後にホテルに戻るとか、ディナー後にレストランの外からUberを呼ぶとか、必要なケースがある。でも毎月維持費を払うほどじゃない」という人間は意外と多いと思います。

そんなときに年間契約のSIMは非常に使い勝手がいいです。大抵の場合オフィスやカンファレンスセンターのWifiで足りるので、年間1GBで意外と足りますし、足りなくなってもチャージも簡単でやすいです。

カバーしている国も120カ国と非常に広く、主要な国はすべて網羅しています。実は日本もカバーしてます。

興味がある人には下記に10%オフのクーポンがあるので使ってください。 go.referralcandy.com

電話番号

あまり必要ないかもしれませんが、データSIMを用意すると次にあるといいのは海外での電話番号です。特にUberを使うときにはドライバーとやり取りするときに電話番号が必要ですので、用意しておく必要があります。

最近はデュアルSIMに対応した端末が増えたので、日本の音声通話可能なSIMを挿したままグローバルSIMを挿しておけばいいだけかもしれませんが、僕のようにデュアル端末を持っていない場合にはデータSIMを挿してしまうと電話を受けられなくなります。

僕はUberのためにSkypeで電話番号をとってます。別にここはGoogle Voiceでも他のサービスでもいい気がします。

電源変換アダプター

国によって電源プラグの形が違いますので、これも用意しておく必要があります。僕は実はこれを複数持っています。。洗面用品と違って、こっちはしょっちゅう旅行時に持って行き忘れるからです。。 アメリカは日本と同じ形状なのでいいのですが、オーストラリア、韓国、シンガポール、インド、みんな違います。僕は忘れるたびに現地で買い直しているので、たくさん持っています。。ホテルが貸してくれることも多いので、それで済ますこともあります。

マックブックを使っている人であれば、下記を買ってしまうのも手だと思います。

Appleワールドトラベルアダプタキット

Appleワールドトラベルアダプタキット

  • 発売日: 2015/02/17
  • メディア: Personal Computers

シャワー

最後ですが、飛行機に乗る前にシャワーを浴びるといいです。よく寝られます。また、現地到着時の体のベタつきとか臭いとか、不快度が劇的に下がるので、現地についてからの行動がスムーズで早くなります。 ラウンジアクセスがない人も、実は各空港で有料のシャワーサービスがあったりするので、探して使うといいです。

マイクロソフトを退職します

もとい、4年7ヶ月ソリューションズエンジニア(=セールスエンジニア)として勤めたGitHubを退職します。月曜が最終出社で、年末をもって退職です。

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GitHubでの思い出たち

思い返せば2014年、GitHubに応募したときにはまだGitHubにはグローバルでも120人ほどしか社員がいなかったのですが、半年後、2015年に入社したときには300人、その翌年には600人を超える規模に急激に成長しました。。 2019年も終わりの現在、1400人近くいます。来年にはさらに倍近く増えるはず。随分大きな企業になったものだ。。この4年半でシリーズBで2.5億ドル調達、その3年後にはマイクロソフトに75億ドルで買収されたわけです。いやはや。。

日本法人も私が入社したときはDiceと僕の2人しかおらず、アメリカからセールスがもう1人の3人体制でしたが、今は16人ほどに増えています。いやー大きくなった。 自分はずっとJapanチームとAPACチーム両方に所属していたのですが、APACのセールスは2015年当初は僕と今のVP of APACの2人しかいなかったけど、これも数十人規模になりました。

シリコンバレーユニコーン企業に4年半勤めたというのはかなり得難い経験だったな、と思います。。HBOのドラマに『シリコンバレー』という人気シリーズがあるのですが、観たことありますか? 観たことない人はぜひ観てほしいのですが、あのドラマを地で行くような4年半でした。マジで。。波乱しかなかった。。

マイクロソフトに買収され、財務的にも強固になりました。ファウンダーはじめ初期の社員はもうほとんど残ってないけど、マイクロソフトの助けを借りてより一層、デベロッパーのプラットフォームとして輝いていくことでしょう。

さて、僕はというと、そろそろ次のフェーズを考えたいな、というのが正直なところで、この1年間、いろんな可能性を探っていましたが、来年1月より、別のサンフランシスコベースのスタートアップに(日本から)参加することにしました。この会社も成功するといいなと思ってます。

この会社はまだ日本法人もない会社なので、年明けてしばらくは業務委託という形を取ることになりそうです。期せずして独立ですね。。業務委託の受け皿として元々持っていた個人事務所を使う感じになるので、せっかくなのでその他の事業もゆるーくやれたらなと思ってます。

というわけで12月は暇なので、是非ランチや飲みに誘ってください!

お約束のほしいものリストを置いておきます。 :-)

Paint GitHub がいい

同僚の Muan がいい感じに GitHub 上でお絵かきができる Extension を書いて公開してました。

github.com

ChromeFirefoxのExtension として提供されています。 chrome.google.com

これを使うと例えば、下記のような感じで、GitHub上でキャプチャの上に線や矢印引いて要望をビジュアルに伝えたり、とかもできます。いろんな可能性が広がりそうですね。


draw

本体に組み込んでもいいんじゃないのという気もするくらい、気に入りました。

『AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト合格教本』をいただきました

本日、JAWS Days 2019にてGitHub Actionsについて発表してきたところなのですが、会場で技術評論社の方とお会いし、表題の本をいただくことができました。

AWSさんの認定ソリューションアーキテクトアソシエイト試験の試験対策本です。

構成的には、AWSの機能や使い方について12章を使って学ぶ形で、基本的なことがすべて網羅されています。各章の最後には確認問題もついていて、自分の理解度を確認するのに最適な作りになっています。資格取得を考える方にはぴったりではないでしょうか。 私も復習兼ねて通読してみたいと思います。

巻末には別冊付録として、本格的な模擬試験もついていますので、試験対策にバッチリだと思います。

2018年2月リリース版のAWSに対応しているとのことです。

最短突破 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト 合格教本

最短突破 AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト 合格教本

GitHub Actions について3連トークします

ご縁があって、デベロッパーサミット、CI/CD Test Night、Jaws Daysの3ミートアップ/カンファレンスでGitHub Actionsについてトークさせてもらうことになりました!

event.shoeisha.jp

testnight.connpass.com

jawsdays2019.jaws-ug.jp

よろしくお願いします!

最近読んだ本

『サルたちの狂宴』というFacebook内幕暴露本を読んだ。ザッカーバーグ含め登場人物が全員実名で出てくるわけで、Facebookの当時の実情が垣間見えて面白いです。

ですがこの本はFacebookの暴露本というよりも、むしろ作者のシリコンバレーでの奮闘記といった趣の方が強く、ある種の青春小説的にも読めます。当初ウォール街でクォンツをやっていた作者が一念発起して西海岸に移住、はやりのイケイケベンチャーに転職するも失敗、そこで知り合ったプログラマーを引き抜いて自分のベンチャーを立ち上げ、Yコンビネータで資金調達し、という話です。最近はシリコンバレー景気も陰りが見え始めていますが、この本はまだまだ元気だったシリコンバレーの活気を生に感じていた作者の体験をそのまま書いているので、読んでいて非常に生々しく、楽しめます。

Facebookの話が出てくるのは後半で、紆余曲折あってベンチャーを売却してからFacebookに転職し、Facebook Exchangeを開発することになった話に入ってからです。Facebook Exchangeもなかなか意欲的な広告プロダクトだったと思うんですが、結局終了してしまいましたね。この本を読んでているとあれがどうしてうまくいかなく、結局閉じる羽目になったのかがなんとなく分かる気がしてきます。

単なる暴露本というよりも、シリコンバレー青春活劇、みたいなノリで読めるのでおすすめです。ちなみに原書のタイトルは "Chaos Monkeys" で、ナードならニヤッとくるタイトル。

サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレー修業篇

サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレー修業篇

サルたちの狂宴 下 ――フェイスブック乱闘篇

サルたちの狂宴 下 ――フェイスブック乱闘篇

その『サルたちの狂宴』の中で紹介されていたので読んだのが『フラッシュボーイズ』。今度映画化するらしいですね。これもノンフィクションですが、一昔話題というか問題になった、超高速取引の実態が分かります。コロケーションとかいって取引所のすぐそばにサーバを置かせるサービスなどを今でも証券会社は堂々と売ってますが、それが何を意味していたのかがよく分かります。この本はそんな超高速取引の実態に一人対抗し、公平な取引所の開設を目指した人の話です。ブラッドカツヤマさんという日系カナダ人のかたですね。

forbesjapan.com

ただ、超高速取引も最近はうまくいかなくなったようで、回線の速度を利用してさや抜きするようなことはだんだん下火になるのかもしれません。

jp.wsj.com

最後は『教養のグローバルヒストリー』という本で、これは単に世界史の教科書を読みやすく書き直したものなのですが、一貫して陸上および海上ネットワークの歴史として世界史を捉え直しているところがユニークで、モンゴル帝国によるユーラシア大陸統一が陸上ネットワークによる東西連結を達成し、ヨーロッパの発展を促したこと、それによってヨーロッパが発展したことで海上ネットワークがユーラシアとアフリカ、アメリカ大陸をつなぐことに成功し、一気にグローバル化が加速して現代に至っていること、などがざっくり分かります。